全国在宅療養支援診療所 連絡会第1回全国大会

一般社団法人全国在宅療養支援診療所連絡会

ごあいさつ

 この度、全国在宅療養支援診療所連絡会は日本の在宅医療の普及、発展を図るために初の全国大会を行う運びとなりました。
平成24年1月現在、在宅療養支援診療所は全国に13,012ヶ所となっております。


 第二の夜明けを迎えていると言われる在宅医療ですが、在宅療養支援診療所で頑張っている医師のみでなく、かかりつけ医師もまた地域で力量を発揮しています。 しかしながら今後の在宅医療は、かかりつけ医のさらなる在宅医療への参画が期待されると同時に質の問題も問われることになります。


 多くの国民の方は住み慣れた地域、自宅での継続した生活や最後は自宅でと希望を持っていますが、現場の状況は「介護などで家族の負担が大きい」 「容態の急変に対応できない」「在宅医療をしてくれる医師を知らない」「訪問看護の体制が整っていない」等の理由で、在宅療養に結びつかない現状もあります。


 第一回全国在宅療養支援診療所連絡会大会は在宅医療の質のみではなく、サ高住等新しい住まいへの在宅医療を含めて、倫理的問題もあらためて考えねばならないと思っております。


 国民が望めば最後まで安心して在宅で療養生活を送る事ができ、それらをサポートする医療、看護、介護等、多職種連携にて生活を支えるシステムの構築が必要であり、 そこには質の高い在宅医療を実践していかなければなりません。今回の全国大会には多くの方に参加していただき共に在宅医療の発展にむけて議論させていただきたいと思います。




  副会長の鈴木です。私は東京都大田区で普通の内科診療所を営む「町医者」です。午前午後に外来診療を行い、その合間に訪問診療を行っております。40名程度の在宅患者を抱え、月に1~2名の方をお看取りさせていただいております。忙しいのですが、何とか病気にもならず24時間365日の体制にも応じることができています。時には学会参加のための出張や、家族とともに1~2泊の旅行に出かけることもできています。


 私は「町医者」がかかりつけ患者の老いを見つめながら、自宅や生活施設で最期を迎えたいと希望した患者を看取ること、それはとても自然なことではないかと考えております。そのようなケースにおいては、患者や家族との深いつながりと信頼感の中で医療が展開され、医療の原点と呼べるような関係性に出会うこともあります。


 私は在宅医療を、医療者や家族の疲弊に満ちた医療、終末期の絶望に満ちた医療ではないと考えております。希望と新たな出会い、常識では考えられない回復を目の当たりにする驚き、人生の終末をめぐる感動に満ちた医療だと考えています。このような在宅医療を実践するために、この全国在宅療養支援診療所連絡会が皆さまのお手伝いができれば幸いと考え、皆で今回の全国大会を企画いたしました。


 また、日本プライマリ・ケア連合学会地域包括ケア委員会としても、本全国大会に全面的に協力し、バックアップを行っていく所存です。町医者が行う医療とはプライマリ・ケアに他なりません。この意味でも本会が関わることは極めて重要と考えております。 今日のこの会が、皆様の地域での仕事に少しでも役に立つことを願ってやみません。






  2008年3月29日に、全国在宅療養支援診療所連絡会が発足しましたが、その後6年経過し、この度、全国在宅療養支援診療所連絡会の第1回全国大会を開催する運びとなりました。この6年間、会員数の増加に努め、現在917名の会員で、全国各地のブロック(九州ブロックから北海道ブロックまで)で、在宅医療推進フォーラム(今年で4回目)を開催してきました。また、本連絡会のメーリングリストによる会員間の交流では、在宅医療に関する診療、事務請求や各地域の情報など、いろんな情報交換がなされ、在宅医療の推進に貢献してきました。


 本連絡会の会員資格は医師のみです(医師ならどなたでも入会できます)。勿論、多職種協働の在宅医療においては医師のみで在宅医療が展開できないことは重々承知しておりますが、“治す医療(キュア)”から”治し・支える(キュア・ケアバランス)医療“への医師の意識改革が在宅医療の推進に必須と考え、医師のみ参加の本連絡会が設立されました。その意味で、本連絡会の第1回全国大会は、医師(会員)の手作りの会を開催しようと企画しました。


 また、会員増のキャンペーンとして、第1回全国大会開催まで、入会金を5000円から3000円へのキャンペーン中です。是非、多くの医師の皆様が本連絡会に入会され、第1回全国大会を成功できるように準備したいと思います。
繰り返しますが、在宅医療は医師のみで展開されるものではありません。在宅医療は、医師を含む多職種協働で展開されるものです。その意味で、第1回全国大会は会員(医師)以外でも参加可能で、会員以外の多職種の皆様のご参加を歓迎します。多職種協働で在宅医療を推進し、地域包括ケアシステムの構築を目指そうとするのが、本連絡会の理念でもあります。
どうか多くの医師の皆様そして多職種の皆様のご参加をお待ちしております。





 世界一の高齢化率と世界トップレベルの平均寿命。日本は今や世界一の超高齢社会となり、今後もそれを維持していくと言われています。 世界に誇れる国民皆保険制度と相まって、日本の医療は発展してきました。病気が起きないように予防し、病気が発生したら、早期発見し、治療する。病気を治し、長生きすることは万人の願いでもあります。


 でも、人間は生まれたらいつか必ず亡くなります。すべての人が最期まで治し続けた末の死を望んでいるわけでもありません。高齢化が進み、 治せない病気や避けられない老化で亡くなる人が増加する多死社会を迎え、老化や死にしっかりと向き合う医療が求められるようになってきています。 以前からもう治せない障害や避けられない老化や死に向き合ってきた在宅医療がこれからの医療の中で果たすべき役割は非常に大きいものとなってきています。 在宅医療があくまで選択肢の一つとして、当たり前に提案される時代が来るようにすることが私たち全国在宅療養支援診療所連絡会のミッションであると私は考えています。


 平成26年3月、満を持して全国在宅療養支援診療所連絡会の第1回の全国大会が開催されます。新しい在宅医療の時代の幕開けとなることでしょう。ぜひ、皆様のご参加をお待ちしております。





 在宅医療の普及が進み、今後はその質を高めることが重要といわれています。在宅医療に積極的に取り組んでいる医療機関の多くが、在宅療養支援診療所として届出されており、その中には、在宅医療専門の医療機関もあれば、外来併設型の在宅医療機関や施設など複合的サービスを提供している医療機関などさまざまな形態があります。これはそれぞれの地域状況によって生まれている差異であり、どちらが優劣とかいう問題ではなく、お互いにお互いの機能を補完しあい、多様化し複雑化する地域医療ニーズを皆で支えていく必要があると思います。これまで以上に在宅療養支援診療所同士の密接な連携が必要となってきているといえます。


 一昨年の診療報酬改定において、強化型の在宅療養支援診療所が創設され、単独もしくは連携によって強化型在宅療養支援診療所として届出された医療機関も少なくないと思います。単独型も連携型も目指すところは、グループ診療によって実効性の高い在宅医療の提供を目指すことにほかなりません。


 今後は在宅療養支援診療所同士の連携をさらに深め、医療機関内外のグループ診療化を進める意味でも、このたび全国在宅療養支援診療所連絡会の第一回大会が開かれる意義は大きいと思います。単独で在宅医療に取り組む時代から、連携しグループ化し在宅医療を進める時代に向かって、一人でも多くの在宅医療者が参加されることを期待します。